ロードバイクはいかにして速く走るかを
追求した自転車です。原付バイク並みに
スピードがでます。人にぶつかれば当然
お互いに無事にはすみません。
今回は自転車事故による罪についての解説
です。
過失傷害罪・過失致死罪・重過失致死傷罪
自転車事故により人を傷害させ、あるいは
死亡させた場合、当然ながら罪に問われます。
過失によって怪我をさせた場合は過失傷害罪
過失によって死亡させた場合は過失致死罪
重大な過失によって死傷させた場合は
重過失致死傷罪が成立します。これらは
全て刑法の犯罪にあてはまります。また、
自転車事故の場合は道路交通法違反による
事も多く、その違反に罰則があれば、道路
交通法違反にも問われます。
過失傷害罪とは
過失傷害罪は法律上の注意義務に違反して
行われた行為(過失行為)によって傷害が
起きた時に適用されます。自転車事故の
場合は道路交通法が中心となります。
過失傷害罪は「親告罪」であり、告訴が
なければ公訴を提起することができない
犯罪を指します。告訴を欠く公訴は、
訴訟の条件を欠くものとして判決で
公訴棄却となります(要するに無罪)
告訴権者は、原則として被害者。
そのほかに、被害者の法定代理人、
被害者が死亡した場合は、配偶者、
直系の親族又は兄弟姉妹です。
親告罪において告訴権者がいない
場合は、検察官が利害関係者からの
申し立てにより告訴権者を指名します。
親告は犯人を知った日から6か月以内
に行わなければなりません。
過失致死罪とは
過失致死罪は過失行為により相手が
死亡した時に問われます。過失致死罪
は親告罪ではありません。
重過失致死傷罪とは
重過失致死傷罪は「重大な過失により人を
死傷させた」場合に適用されます。
「重大な過失」とは「注意をしていれば
危険性や事故を回避できたのに注意を
怠った結果事故につながった場合」を言い
ます。自転車事故のおける重過失致死傷罪
が適用される判例は以下の通り。
「前照灯をつけなければ前が見えないような
天気が悪い夜に、スマホなどのライトの光
だけで走った結果、前方の歩行者に追突した
場合」
「前照灯無灯火の状況で、対向車の前照灯に
目がくらみ、ハンドル操作を誤って歩行者に
追突した場合」
「飲酒した状態で自転車を走らせ、信号が黄色
から赤に変わる寸前に交差点に進入、横断歩道
を渡ろうとした歩行者に衝突した場合」
「電動アシスト付き自転車で歩行を時速15km
ほどで走行、前方の歩行者に引っかかり転倒
させ、そのまま走り去ろうとした場合」
いずれも法令、前方の安全確認等の注意義務に
違反した事例です。
おわりに
自転車は免許も必要なく、子供から
お年寄りまで気楽に乗る事ができる
ため、事故についても「ちょっと
ぶつかっただけ」と自動車事故に
比べて軽く見られがちです。
自転車も道路交通法では軽車両の
扱いで、罰則も決められています。
それを意識して乗るべきです。
ロードバイクはスピードが出ます。
スピードが出る、という事は危険を
察知してからそれを避ける動作を
行う余裕がほとんどない事を意味
しています。しかも自動車と違い
身を守るものはヘルメットだけで
事故により重傷を負いやすく、
後遺症にもつながりやすいです。
交通ルールを守る、という事は
自分の身を守る、という事と同義
なのです。