2021年ツール・ド・フランス第一ステージの
1回目の落車原因となった看板女性の件は
収束に向かっています。
レース主催者側は原因になった女性を告訴しないと表明
一時は落車の原因となった女性の告訴を
示唆していたツール主催者のASOは、
7月1日付で告訴しない事を表明しています。
ツール・ド・フランスのレースディレクター
クリスチャン・プリュドム氏は
「レースの主人公は選手たちです。彼らに
敬意を払い、邪魔をするような行動は慎んで
ください」「ツールを見に来るすべての人に
レースに対する責任があります。観客の方々
にも安全規則は守ってもらいたい」と声明を
発表しています。
過去にも観客が原因の落車はありましたが
ここまで騒ぎが大きくなる事はありません
でした。
ネットでの拡散、主要メディアが取り上げてロードレースに興味のない人も話題に飛びついたから
ある意味、ツール・ド・フランスを全世界のメディアが取り上げるきっかけを作った人。 https://t.co/oqft3Jion9
— yamadai@ロードバイクに乗るアラフィフおじさん (@yamadai606) June 30, 2021
ここまで事が大きくなった理由は以下の
様に推察されます。
- 落車原因となった女性の行動
- 普段ニュースにもしないYahoo!、地上波ニュースが取り上げた
動画での落車原因は、観客がレースに没頭
しすぎて周囲が見えていなかった、注意が
疎かになり、選手との距離感を見誤った事
でした。少なくとも目線は選手の方を向いて
います。
しかし、今回の看板女性は、レースを全く
見ておらず、カメラに向かってレースに
全く関係ないメッセージを映そうとした
結果、落車を引き起こしてしまいました。
この行為がSNSに流れると、世界中のファン
の逆鱗に触れ、女性が看板を広げてカメラ
目線で選手の進路に立ち塞がった画像や
動画が一気に拡散。日本でも普段はツールの
ニュースをほとんど流さない地上波メディア
、Yahoo!も反応してニュースにしました。
影響はかなり大きく、私もツール・ド・
フランスの事を全く知らない仕事関係の人
から落車の話題を振られたので驚きました。
で、ネット上でも格好の素材として、
いじられ、コラ画像が作られたり、
便乗商品が作られたり、
あげくレースの現場でもいじられたり
されました。
女性の出頭は「特定厨」から逃れるため?
特定厨
SNSなどで発信される情報を元に個人を特定したり、アニメやゲームなどに登場した場所や物品のモデルとなったものを探し当てたりする人物の事。
ニコニコ大百科より
おそらく、地元フランスでは日本と比較に
ならない程、この女性に対する非難は大きく
事故直後から所在や身元を探る動きがあった
と思われます。
女性の立場からすれば、自分の行為で
落車が発生し、パニックになって
その場から離れてしまった。冷静になって
からどうしようか考えているうちに
騒動になり、出るに出られなくなって
しまった、そもそも誰に申し出ればいいか
分からなかった、という所でしょうか。
そのうちASOやCPA(プロライダー組合)
が、告訴をチラつかせて余計に出ずらく
なったのでしょう。しかし段々と自分の
所在や家族の事が特定されつつあった
ため、国家憲兵隊に出頭したものと
思われます。
告訴をしても得られるものは少ない、と判断したか
告訴はもろ刃の剣。「安全対策をしっかりとらなかった主催者も悪い」と反論されれば、泥沼化して主催者側にもメリットはないですからね・・。身柄確保された看板の女性は厳重注意、ツール出禁といった処分で終わるのでは。ただ「悪い目立ちたがり屋」として繰り返し動画は使われるでしょうね。 https://t.co/INr4OaMB2Z
— yamadai@ロードバイクに乗るアラフィフおじさん (@yamadai606) July 1, 2021
ASO側からは訴えを撤回した理由について
明言を避けていますが、スポーツの性質上
ファンをレースから遠ざけることは不可能で
逆に自分たちの安全対策の不備を訴えられる
可能性や、訴訟手続き等の労力に対して、
リターンが少ない事が考えられます。
CPAの訴えの方もASOが告訴を取り下げた
以上、同調して対応するのではないで
しょうか。ただし彼女は過失致傷の罪で
罰金刑が科せられる可能性は残っています。
おわりに
彼女の掲げていた看板のメッセージが
選手を応援するものだったら、結果は
変わっていたのかもしれません。