UCIワンデークラシックの中でも
1.2を争う人気を誇るレースが
2年ぶりに帰ってきました。
パリ~ルーベ2021 10月3日
1896年に第一回大会が開催され、
第一次世界大戦と第二次世界大戦
初期の戦間期に中止されたものの
100年以上の歴史を誇るレースです。
日本は日清戦争が終わったばかりの
明治29年で、箱根駅伝も甲子園大会も
まだ開催されていないので、その歴史の
古さが分かると思います。
2020年大会はコロナウイルス感染拡大に
より戦争以外の理由で初めて中止となり
2021年も1度延期となったものの、感染
拡大が抑えられた事から大会開催が決定
しています。
ルーベはフランスとベルギーの国境に
隣接した街で、繊維産業で栄えた歴史
ある都市です。
特徴は30か所に及ぶ石畳
10月3日に開催されるこのレースは
パリのコンピエーニュからスタートし、
ベルギーとの国境の街、ルーベの
ヴェロドローム(自転車競技場)を
周回してゴールする全長257.7kmの
レースです。
このレースの最大の特徴は、30か所に
及ぶ石畳区間です。
1から30まで番号が振られており、
最初の石畳区間をセクター30と呼称して
ゴールに近づくほどセクター数が減る
カウントダウン方式を採っています。
一般的に石畳というと神社やお寺にある
平らな大きい石が隙間なく敷き詰められて
いる道を想像すると思います。
(Wikipediaより転載)
ヨーロッパの石畳の大部分はサイコロ状の
石を使っており、パリ~ルーベの石畳も
同様です。
https://twitter.com/jspocycle/status/1443517364717297665
大きい石を使うより、修繕が楽で水はけも
いいメリットがあります。ただ時間が経つと
石と石の隙間が大きくなり、石も削れるので
石畳自体が波打つような格好となります。
ルーベの石畳はレースがない時でも使われて
おり、普段は石と石の間に泥や草が入り込み
そこまで走りにくくはないのですが、レース
が近づくと、近所の住人総出で草取りや泥を
さらって本来の石畳を作り出しています。
https://twitter.com/Paris_Roubaix/status/1442784707847065601
https://twitter.com/fcbliebe1900/status/1442798355902390275
選手は落車しない様に天に祈りながら走る
パリ~ルーベではその石畳区間それぞれに
難易度を設定しており☆~☆☆☆☆☆で
表しています。
- ☆・・プロなら余裕。一般ライダーでも何とか転ばずに走れる
- ☆☆・・石畳の振動で一般ライダーは走る事が難しい。
- ☆☆☆・・ロードバイクがぶっ壊れるレベルの振動。
- ☆☆☆☆・・人が壊れる位の振動。落車すれば大けが必至
- ☆☆☆☆☆・・プロでも止まってしまうとリカバリーが難しい。運を天に任せて走る
パリ~ルーベ2021の☆☆☆☆☆は
- セクター19「アランベール」
- セクター11「モンス・アン・ぺヴェル」
- セクター4「カルフール・ド・ラルブル」
特にセクター19「アランベール」は登り区間の
石畳で、荒れ具合が特に激しく(2005年の
レースではコースから外されたほど)、比較的
走りやすい路肩も柵が近いため、ほとんどの
選手はいやでもパヴェ上を走る事になり、
誰かが落車すれば大渋滞となり、その後の
レース展開を左右する難所です。
今年は冷たい雨予報。さらに過酷なレースに
10月3日の天気予報では気温16度、雨が
降る予報となっています。
雨が降れば石畳でパンクやスリップの
リスクが跳ねあがり、石と石の間に
溜まった水で段差が分かりにくく、
タイヤを溝にはめて落車が増えます。
前の選手が跳ねた泥が容赦なく顔に
飛び、口や鼻に入ってレース後に
感染症を引き起こす事も。
おわりに
パリ~ルーベはJ SPORTSで見る事が
できます。スカパー!なら申し込みから
30分で視聴可能なので、今からでも間に合い
ます。