今回もロードバイクを始めたい人に読んで
もらいたいマンガを紹介します。
前回紹介した「かもめ☆チャンス」は
青年誌にありがちな彫りの深い絵面で
キャラクターのリアルさを追求した
マンガでしたが、今回は少女マンガ
のような線の細いタッチで描かれた
作品です。
サイクリーマン 「モーニングKC」 全3巻 原田 尚 著
主人公は自転車選手を目指したものの
ケガでその夢を諦め、一般企業に就職
しています。自宅の物置の掃除をした
時に過去に乗っていたロードバイクを
見つけ、整備しているうちに走っていた
時を思い出し、ふらっと昔の練習コース
まで走る事に。そこで会ったサイクリスト
と意気投合。財布を忘れた彼に食事を
ご馳走し、また走ることを約束して連絡
先を交換した。次の日、出社した主人公
の目の前に、また走る約束をした彼が
直属の上司として現れ・・・。
もともとは読み切り作品として発表
されたのですが、評判がよかった為
新たに連載作としてモーニング誌に
掲載されました。
「サラリーマン」と「サイクリング」
を合わせたタイトルでもわかるように、
登場人物はほぼ会社員です。主人公は
入社2年目の新人からようやく抜け出し
企画を任せられつつあり、休日は寝て
過ごす平社員ですし、その上司は仕事
一筋で趣味や友人を持つのが苦手、
妻や娘からはつまらない夫(父親)
とみられている管理職・・・。
マンガを読んだ10人に9人(推定)
は自分を重ねることになるシチュ
エーションだと思いませんか?
またこの作品のもう一つの魅力は
登場する地名が実際にある地名で
ある事です。ロードバイクに乗って
いる人なら必ず聞いたことがある
「ヤビツ峠」や「大垂水峠」などが
登場します。また、主人公と上司が
走るルートにある有名な見どころ等も
作中に登場するため、知っている人は
もちろん、それ以外の人もその場所を
想像しながら読むことができます。
もう一人の主人公である直属の上司
ですが、会社では部下の仕事に妥協を
許さない厳格な上司という顔と、休み
のサイクリングで立ち寄ったカフェで
ケーキを頬張る女子バリの顔との
ギャップがたまりません。あと、
娘の一言にショックを受ける姿、
皆様も覚えがありませんか?
そのほか、主人公と上司の関係をパワハラ
を受けているのでは、と疑う先輩(女子)
と上司の娘なども登場し、主人公と上司の
サイクリングライフはどんどん充実して
いく・・。
こういう出会いや環境にあこがれる!
実際、自分の職場の同僚が同じ趣味をもって
いたら楽しくないですか?ただし、それは
なかなかお目にかかることがないシチュ
エーション。だからこそサラリーマン
ライダーにオススメしたいマンガです。
サイクリーマン 原田 尚 著
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