ロードバイクで転倒すると、スピードが
出ている為、重いすり傷を負ってしまいます。
できれば痕を残さず治したい、という悩みに。
湿潤療法が主流になっている
傷の治りは細胞が再生する事であり、細胞の
再生を促す環境は乾燥しているより湿潤して
いる方がいい、という考えや、傷は治れば
その部分は乾燥するから、初めから乾燥
させたほうがいい、という勘違いが訂正
された事も湿潤療法が主流になった要因
となっています。皮膚細胞の再生を促す
再生細胞は乾燥により死んでしまうため、
乾燥させるほど傷の治りは遅く、痕が
残ってしまうのです。
消毒液は再生する細胞を殺してしまう
消毒液は傷口に入る事で、細菌を殺すより
再生しようとする細胞の方を殺して
しまいます。また皮膚のような浅い部分の
組織は菌に対する耐性が高く、壊死した
組織や異物が残らなければ消毒しなくても
感染症を発症する事はありません。
消毒より徹底した水洗いを
化膿する原因は傷口の壊死組織や異物
なので、それを徹底的に取り除くため、
大量の水でそれらを洗い流すのが大切
です。
傷が深く、出血が止まらないうちは処置しない
湿潤療法はあくまで軽症のすり傷を早く
治すための療法なので、傷が深く出血が
止まらない、異物が深く食い込んで
とれない場合は行わず、専門の医師の
受診を受けましょう。
湿潤療法のやり方(ラップ使用)
必要な道具は以下の通り。
- ラップなどのドレッシング(被覆材)
- 白色ワセリン
- 包帯もしくは医療用紙テープ
手順は以下の通り。
- 大量の水で傷口の汚れ、異物を完全に洗い流す。消毒はしてはならない。
- 止血をする。止血後に保湿効果を保つ為に白色ワセリンを塗ったラップなどのドレッシング剤を傷口より大きめに切り、傷口にあてる。
- 貼ったラップを包帯、医療用紙テープで固定。
- ラップ交換は1日1回が目安。傷口からの体液が多い場合はあふれる前に交換する。交換時は傷口周辺を洗う。
- 傷口がピンク色になり、痛みがなくなれば治療は終了。
- シミにならない様に治った傷口は露出しない
①は傷口の砂やオイルなどの異物や汚れが
当てはまります。
④の注意点は、テープで皮膚がかぶれる場合
別の方法で治療を継続する。ビニールテープ
だと、かぶれない事がある。
⑤は夏の場合にかぶれになる可能性が高い
ので、注意。体液(浸出液)は臭いが強く、
服に染み込むと取れない。傷口が大きい
ほど浸出液の量も多くなる。痛みが取れ
ない、膿や浸出液が出続ける時は治療を
やめ医師の診察を行うようにしましょう。
市販の保護材付き絆創膏の活用
上記のやり方はラップを用いた療法
(開放性ウェットドレッシング療法)と
言いますが、市販の被覆材付き絆創膏を
使用する方法もあります。
(閉塞性ドレッシング療法)
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おわりに
ケガをしない事に越したことはありませんが
万が一の時に早めに治して復帰する事も
大切です。
ただし、異常を感じた時は速やかに専門の
医師の診察を受けるようにしてください。