ロードバイクには、ボトムブラケットと
いうパーツ、略してBBがあります。
ペダリングした時にクランク軸がグラ付かず
スムーズに回転するために必要不可欠な
パーツです。取り付け方法に違いがあり、
フレームに切られたネジ山にねじ込む
スレッド式と、フレーム側に押し込んで
固定するプレスフィット型があります。
スレッド式BB=ねじ切り式ボトムブラケット
スレッド式BBのメリット
- 固定力に優れる
- メンテナンスが簡単
スレッド式のデメリット
- フレームに金属のネジ山を取り付ける為、重量増になる
- メーカーにとっては制作にコストがかかる
- ネジ山や金属面の精度の良し悪しが取り付け時の障害になる
- メンテナンスを怠るとBBが外れなくなる
ロードバイクが全金属製だった時は
フレームに直にネジ山を切っていましたが
カーボンフレームが登場するとネジ山を
フレームに接着する方法となりました。
金属パーツを使用するので、固定力が
強く、ちょっとやそっとではBBがガタつく
事がない、簡単に取り外しができるので、
自宅でもメンテナンスがしやすい、と
言うのがメリットです。
デメリットは金属パーツぶん重くなる
事、フレーム制作にコストがかかり
販売価格に影響がある事、ネジ山の
パーツの精度が悪いとクランク軸のガタ
つき、クランクがまっすぐ入らず、
ペダリング時に干渉する、メンテナンスを
怠るとネジ部分が固着して外れなくなる
事です。
プレスフィット式BB=圧入式ボトムブラケット
プレスフィット型のメリット
- プラスチック樹脂製で軽量
- フレームにネジ山を設けなくて済み、フレームの軽量化やBBを大型化する事で剛性が増す
- フレーム制作のコストが下がる、フレーム制作の自由度があがる
プレスフィットBBのデメリット
- 規格が乱立しており、使いたいクランクが対応していない恐れがある
- パーツを圧してフィットさせるタイプのため固定力はスレッド式に劣る
- 取り付け、取り外しに専門工具や専門知識が必要で手軽につけ外しできない
- 固定力の低下から不快な異音が発生する
プレスフィットBBはキャノンデールが
2006年に開発したBB30が元祖で、
より大きなベアリングとBB用の穴を
可能して剛性強化と軽量化を実現しました。
しかし、それは理論上の事で、実現には
精密に機械加工されたシェルとクランクが
必要であり、カーボンフレームに合金シェルを
接着して製造するには費用がかかりました。
プレスフィットはその後フレームに直接押し
込まれる樹脂製のカップにベアリングを
収容することにより、シェル面の問題を解決。
製造コストを削減し、フレームメーカーが
こぞって採用されるようになりました。
プレスフィット最大の欠点、異音
12時〜3時辺りでカツンカツンと音鳴りが…。これが噂のBB異音というヤツでしょうか?#venge#SPECIALIZED #BB異音 #購入して半年 pic.twitter.com/WkGpz9v14J
— yamadai@ロードバイクに乗るアラフィフおじさん (@yamadai606) October 2, 2019
樹脂製シェルは品質管理のばらつきにより
ベアリングとフレーム間のはめ込みが不十分
だとBBがきしむような音が発生します。
また固定力の低下(固定を助けるグリスが
薄くなった時など)でも同様に異音が発生
します。プレスフィットBBが簡単に取り
外せないので、専門店に工賃を支払って
対応してもらうしかなく、その事もストレス
になります。
原点回帰し始めたメーカー
近頃はプレスフィットBBからスレッド式のBB
に戻すメーカーも増えています。レースに
おいてのメンテナンス性を重視した結果と
言われていますが、少なからず前述の異音
問題も関係していると思われます。
ピナレロはフラグシップモデルのドグマ
からねじ切りBBとなっています。
スペシャライズドもターマックからルーベ
までねじ切りBBを採用しました。
グランツールで勝ちまくっているメーカーが
ねじ切りBBに回帰した事で、その優秀性が
分かります。
おわりに
様々なBBがありますが、最初に選ぶなら
ねじ切りBBのロードバイクがメンテナンス
にも優れ、異音などのトラブルも少ないので
オススメです。