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【ロードバイク】道路交通法を改正したイギリス、579億円を投じて環境を整える事に【ジョンソン首相】
(自転車通勤中の一枚) イギリスのボリス・ジョンソン首相が 提唱する「サイクリングの黄金時代」の 一環として、英国政府が発表した新しい 道路交通法では、自転車と歩行者が より優先される事になります。 ...
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前回イギリスが巨費を投じて歩行者や
自転車の道路上でのヒエラルキーを
向上するための環境整備に乗り出した、と
紹介しましたが、それより道路の穴を
直せ、という人もいるようです。
浅い水たまりだと思ったら違った
Instead of spending £27 billion on new roads how about we spend it on fixing the roads we’ve already got? Josh’s girlfriend crashed her bike after riding through puddles, hitting this deep @N_landCouncil pothole today. Needed ambulance call-out. (She’s cut and bruised but OK.) pic.twitter.com/TFFhXRHGdD
— Carlton Reid (@carltonreid) August 22, 2021
イギリスのノーサンバーランド州の
ある道を走っていたジョシュさんの
友人が、浅い水たまりだと思って
いたところが、くるぶしまですっぽり
はまる深い穴だったため、タイヤが
はまって転倒、救急車で搬送される
事故が起きてしまいました。
ちなみにこの穴は2013年の調査でも
指摘されていて、ジョシュさんの友人が
事故を起こすまで放置されていたことに
なります。8年の間に穴はより深くなり
今回の事故に繋がってしまいました。
既存の道の整備が早急に必要と訴える
イギリスは歩行者とサイクリストを
道路上のヒエラルキー最上位に据える
為の新しい取り組みとして巨額の予算を
計上していますが、新しく道路を整備する
より、既存の幹線道路や、そこから外れた
田舎道などの補修工事が先に必要ではないか
とツイートしています。
日本の場合、道路上の瑕疵で事故があった場合、国家賠償法第2条第1項が適用される
道路が通常有すべき安全性を欠いていた事で
転倒などの原因になると管理瑕疵が
問われます。どのような場合に管理瑕疵が
問われるかは具体的個別的に判断され、
それが判例として積みあがっています。
- 一定の状況における道路の損傷の放置(舗装路面の破損、橋の高欄の破損等の放置)
- 路上障害物の放置(土石、竹木、工事用機械・材料の放置)
- 道路工事又は占用工事等の際の安全措置の不履行(標識、防護柵、警戒灯等を設置しないこと)
- その他適切な管理権を行使しないこと(耐荷力の小さい橋等について荷重制限をしておかないこと等)
国家賠償法第2条第1項に
道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。
と定められていて、道路管理者が被害者に
賠償するときの根拠は、ほとんどが本条に
なっています。「公の営造物」とは
行政機関が事実上管理して公の用に供して
いるもの(公道)をいいます。
「設置又は管理の瑕疵」とはその道路が
「通常有すべき安全性」を欠いている状態を
いいます。
なお「予見可能性」や「回避可能性」が
ないときには管理瑕疵がないとされることも
あり、被害者にも過失がある場合には
「過失相殺」で賠償が減額されます。
兵庫県道穴ぼこ自転車転倒事件 (神戸地判平成24年3月13日)
○ 事故の概要
ロードレース用の自転車を運転していた人が、県道の穴ぼこ(95㎝×41㎝×深さ6.4㎝)に自転車の前輪を落としハンドルを取られて転倒して受傷した。
○ 判決の要旨
本件道路は山岳道路であるが休日には1000台以上の自動車、20台以上の自転車が走行する、路面全体が舗装された道路であり、穴ぼこが存在することは考えにくいことなどから、本件道路は通常有すべき安全性を欠いている。
被害者は、前方を注視することにより穴ぼこの存在に気づくことが可能で、穴ぼこを避けるか、転倒しないように低速で走行することができたため、過失割合は50%とする 1) 。
上の判例の場合、穴に落ちないように
カラーコーンやフェンスなどで事前に
危険を察知できるようにしたり通行
できないようにする責任があるが、
それを怠った事で事故が起きた、と
瑕疵を認めています。しかし、
ロードバイク側の前方不注意にも
原因があるとして過失割合は50%と
しています。
国家賠償請求を行う場合、弁護士など
の専門家に相談するのが確実です。
おわりに
道路の状況は刻々と変化しています。
それらに対応できないスピードの
出しすぎや無理な追い越しは事故の
もとです。安全第一で走りましょう!