ロードバイクのコンポーネントは
フロント2速、リア10~12速が現在の
主流になっています。勾配のキツイ
道で足の疲労を軽減したい時、平坦路で
スピードを出したい時に幅広くギアを
調整する為です。リアのギア枚数は年々
増えてきていますが、フロントのギア
枚数は多くすると重量がかさみ、少なく
すると路面の変化に対応しきれないため
あまり変わりがありませんでした。
そんな中、ベルギーのメーカーである
Classified Cyclingの製品である
「POWERSHIFT hub」が注目されて
います。
ハブ本体に変速機構を組み込んだ製品です。
スルーアクスル型のバッテリーと受信機、
電子制御でフロントギアの変速を再現する
ハブシェルとハブ、カセットスプロケットは
耐久性に優れ、軽量なスチール製の一体型
となっています。このハブを組み込む事で
フロントギアを2枚から1枚に変更しても
ハブ内で疑似的に2枚のギアがあるように
制御が可能になります。Di2搭載であれば、
そちらで操作も可能です。
フロントギアが1枚になるメリット
フロントギアが1枚になるメリットは・・
- 軽量化
- シフトチェンジ時のチェーン落ち回避
- 空力性能向上
一番のメリットはチェーン落ち回避でしょう。
変速機の調整不良や、悪路走行時のシフト
チェンジなどでチェーンがフロントギアから
外れてフレーム側やクランクアーム側に
落ちて、悪くするとフレームに修復不能な
キズを負わせる悪魔の所業です。
フロントギアが1枚になればそのリスクは
ほぼなくなります。POWERSHIFT hubは
電子制御でフロントギアの動きを再現して
いるので、実質チェーンが動かない為です。
重量についてはハブが495gで、標準的な
ハブより約228g重くなっているので、
大きなメリットはなく、空力性能も体感
では分からないレベルでしょう。
デメリットは価格と対応ホイールの少なさ、既存のスプロケットが使えない事
POWERSHIFT hubの価格は2,399ユーロ
(約335,000円)とハブ単体としては
かなりの高額です。しかも対応する
ホイールが今までは自社製品のホイール
しかない事です。
(先日、ヨーロッパ最大の自転車見本市
ユーロバイクが開催され、Enve、DT Swiss、
Mavic、Reynolds、Spinergy、Boyd
CyclingおよびFast Forwardなどの有名
メーカーとのパートナーシップを締結した
事が発表されました。)
また、既存のシマノやカンパニョーロ、
SRAMなどのスプロケットが対応して
いない事です。これは地味に大きい
デメリットです。
有名ライダーがアンバサダーとして開発に参入するなど、今後の台風の目となりそう
(公式HPより転載)
オリンピック金メダリストで、世界王者の
Anna van der Breggenや、スプリンターと
してツール・ド・フランスのステージ優勝
もしているアンドレ・グライペルと
マルセル・キッテルが投資家および
アンバサダーとして企業に協力する事に
なりました。
彼らの経験のフィードバックをもとに
更なる開発を行う事で、今後の台風の
目となるかもしれません。