ロードバイクに乗っていると誰しもが
通る道があります。「腰痛」です。
それはロングライドした後だったり
ヒルクライムの大会中かもしれません。
できるだけ腰痛を予防して楽に走る
方法はないでしょうか？
そもそも腰痛という病名はない
腰痛は病名ではなく体に表れる症状の
名前です。腰そのものに問題がある
場合だけでなく、職業、生活習慣、
ストレスなどの要因が複雑に絡んで
腰痛を発生させている可能性があり、
腰痛の原因を知るための第一歩は、
自分の生活環境を見直す事です。
ちなみに病気やけがによる自覚症状の
調査では男性1位、女性の2位が腰痛と
なっており、誰もが経験しうる身近な
症状です。腰痛が起こる原因は様々
ですが、原因を特定できる腰痛の事を
「特異的腰痛」といいます。代表的な
病気としては椎間板ヘルニア、高齢者に
多い腰部脊柱管狭窄症、筋肉の繊維や
筋膜が傷つきおこる筋・筋膜性腰痛が
挙げられます。これらはいずれも背骨の
神経（脊髄神経根）が圧迫されて痛みが
起こり、圧迫がひどいときには、脚の
筋力低下やしびれを伴います。
前半では椎間板ヘルニア、後半は筋膜性
腰痛について解説します。
椎間板ヘルニア（もしくは腰椎椎間板症）
背骨と背骨の間には背筋を伸ばしたり
重いものを持つときに体を曲げる時に
クッションの役割をする「椎間板」
があります。椎間板が加齢や外部からの
衝撃で一部が飛び出してしまい、背骨の
中を通る神経を圧迫することで痛みや、
しびれを起こすのが椎間板ヘルニアです。
特に腰やお尻から下肢にしびれや、力が
入りにくくなる症状はいわゆる「座骨神経痛」
とも言われます。
痛みは、長い距離を歩いたり、重いものを
持つと強くなることがあります。
このMRI画像は私の背骨です。腰痛と
左足先のしびれがあり整形外科を受診
してMRIを撮影しました。
L4～S1にかけて椎間板が変色し神経部を
圧迫しています。
正常な椎間板は白く写り、黒く変色した
椎間板は変性しており、元の白い色には
戻りません。椎間板は10代後半から加齢
、ストレスなどで椎間板の中央にある
髄核の水分が減少し、弾力性が低下して
いきます。このような状態で繰り返し
ストレスが加わると椎間板の変性は加速
します。
病名は椎間板（変性）症で、ヘルニア一歩
手前との事でした。予防の方法は、筋肉の
硬さをとるためのストレッチを行うと同時に
体幹筋（特に腹筋）の筋力強化が効果的です。
椎間板に過度の負担がかからないように
姿勢を正したり、運動時の体の使い方を身に
つけていくことが重要です。
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痛みが強い場合は、安静にし、痛みが強くなる
動作は避けるべきです。
筋・筋膜性腰痛
急激に重いものを持ったり、無理な姿勢を
繰り返して筋肉に負荷をかけたりすると
筋膜性疼痛症候群（筋・筋膜性腰痛）に
なることがあります。筋膜とは筋肉など
さまざまな臓器を包んでいる膜の事ですが
運動によってこれが傷ついてしまい痛みが
発生します。通常は数日で回復しますが、
負荷がかかる状況が続いたり寒さで血行が
悪くなったりすると回復が追いつかず、
強い痛みやしびれを生じるまで悪化して
しまいます。
肩や脚など全身で起こる可能性がありますが
腰で発症し腰痛の原因となりうる病気です。
症状は腰に沿って発生する腰痛や圧痛、
運動時の痛みです。下肢のしびれや筋力低下、
知覚障害などの神経症状がなく、骨の変化も
ないのでレントゲンでは判断できません。
腰が痛い時は安静に徹し、必要に応じて
アイシングを行います。
おわりに
ロードバイクに乗る姿勢は普段の姿勢とは
大きく違い前傾姿勢を長くとることになる
ので、腰が痛くなりがちです。それを防ぐ
為には上半身を支える体幹の筋肉が必要
不可欠になります。実走やローラー練習の
他に筋トレも取り入れてロードバイクの
乗車ポジションに合った体を作って
いきましょう！