シマノの特許情報から、自転車用のABS
(アンチロックブレーキシステム)開発が
進んでいる様子がうかがえます。
そもそもABSとは?
一般には「急ブレーキをかけながら、衝突
回避のためのハンドル操作ができる」為の
システムと言われます。
急ブレーキをかけた時にタイヤがロックすると
路面への接地性が急激に失われてコントロール
不能におちいります。ABSは車輪の回転が走行
速度から想定されるより低くなった場合に
車輪がロックして滑っていると判断、車輪の
ブレーキの液圧を下げる事でブレーキを
踏んだ状態でもブレーキを一瞬解除させ、
直後に再度液圧をかけてブレーキを効かせる
という動作を自動で繰り返すことで車輪の
ロックを防ぎ、急なブレーキでも制動力を
維持できるのです。
ABSの制御システムをフォークコラムとヘッドチューブの間に収めるまで開発が進行
図1解説付き公開された特許の図はマウンテンバイク
となっていますが、説明ではロードバイク
の他、Eバイクにも転用可能との事です。
図2解説ABS制御に必要なホイール回転数センサー
やブレーキセンサーを備えており、Di2
前提となっています。
図5ABSはヘッドチューブとフォークコラムの
間に設置され、ポンプやタンクも小型化し
同じ場所に設置されるようです。
マウンテンバイクのような不整地ではABSは逆に制動距離が延びる
ブレーキを踏んだときのスピードや路面状況によっては、ABS装着車の方がABS非装着車より制動距離が伸びることがある。例えば、砂利道や未舗装路、新雪の積もった道路ではABS非装着車の場合、タイヤをロックさせながら砂利や新雪を押しのけて停止する。そのため、砂利や砂、雪がタイヤの進行方向に集まり、大きな抵抗となるため、ABS装着車よりも制動距離が短くなる傾向にある。反対にABS装着車の場合、砂利などがタイヤを滑らす役目を果たし、ABS非装着車に比べ制動距離が伸びる傾向にある ~ウィキペディアより~
ABSが効果を発揮するのは、舗装路を
走る場合のようです。二輪車においても
ABSは新車は2018年から、継続生産車も
2021年10月からABS装着が義務付けられ
ます。自転車文化が日本より進んでいる
ヨーロッパの市場を見据えて、ロードバイク
へのABS装着を先んじて発表するかも
しれません。
ロードレースでは使われないかも
同じくヨーロッパが主戦場のF1でも93年に
ウィリアムズ・ルノーがABS、トラクション
コントロール、アクティブサスペンションを
搭載したマシンを走らせ、ドライバーズ、
コンストラクターズ両方のチャンピオンに
なりましたが、ハイテクがテクニックを
上回りレース結果を左右する、という事で
わずか1年でABS、トラクションコントロール
は禁止されてしまいました。ロードレースに
おいても、同様の理由で使用禁止になる
可能性があります。もしくは、スイッチ
操作で特定区間のみ使用可能とする
かもしれません。
おわりに
自転車用品もここまで進化したのか、と
驚くばかりです。これからもチェックして
いきたいです。