ロードバイクの歴史の中で数々の伝説を
残しているメーカーが新たなステージに
進む事になりそうです。
チネリ、コロンバスを擁するGruppo、テキサス州の投資会社Asobi Venturesに株式を100%譲渡
チネリは元プロロード選手のチーノ・
チネリが1948年に創業した自転車
メーカーです。ハンドルやステムの
パーツ販売のほか、フレームも販売
しています。
ロードバイクを構成する素材には
鉄、クロモリ、アルミ、チタン、カーボンと
様々ありますが、チネリは鉄、クロモリの
ロードフレーム、ピストフレームを得意と
しています。特に「スーパーコルサ」は
その後のロードフレームの形に大きな影響を
与えたフレームとして現在もファンが多く
一部はプレミアがつくほどです。
パーツもクロモリや鉄のフレームの接合部
「ラグ」と呼ばれるパーツの美しさに定評が
あります。
コロンバスは1919年に創業したチューブ
(鋼管)メーカーです。継ぎ目のない
鋼管(シームレスチューブ)を開発し
モトグッチやフェラーリのフレームも
コロンバスのチューブが使われた程の
メーカーです。1977年に自転車部門が
独立、カーボンフレームが主流になった
現在でもスチール、クロモリなどの
チューブを販売しており、競輪や
トラックレースでも使われています。
両社ともGruppo社の傘下で、チネリの
フレームにはコロンバスのチューブが
使われることが殆どです。
2021年にGruppo社の株式の過半数を
取得していたAsobi Ventures社が、
今回すべての株式を取得し、傘下に
組み入れられる事になりました。
期待するのはレースの結果ではなく、美術的観点からのネームバリューか
チネリは様々なアーティストとコラボ
しており、アート作品としても有名です。
特にキース・へリングの絵がホイール全面に
描かれた「Keith Haring × Cinelli Laser 1987」
は見た人もいると思います。
今回の完全買収もこういったチネリの
ネームバリュー、アートやデザインとの
融合させるためのキャンバスとして
投資する目的があったのでは、と考え
ます。
おわりに
いわゆる「床の間バイク」という
飾っておくような、または投資目的の
バイクになりそうな感じがします。