ロードバイクのメーカーは全世界にあり
ます。本場はヨーロッパですが、アメリカ
やアジアにも本場に負けないメーカーが
あります。今回はツール・ド・フランスに
参加する2チームに機材を供給している
スペシャライズドについて解説します。
ロードバイクからマウンテンバイクまで、モットーは「革新を、さもなくば死を」
1974年にアメリカでマイク・シンヤードが
創業したスペシャライズドは、現在も販売
されている、ロードバイク「Allez」(アレー)
を皮切りに、世界初の量産マウンテンバイク
「Stumpjumper」(スタンプジャンパー)が
大ヒットし(ワシントンD.C.のスミソニアン
協会の永久所蔵品にも加えられた)確固たる
地位を築きました。しかし、経営方針の失敗
により、フレームの生産を委託していた台湾
メリダ・インダストリーに株式のほぼ半分を
譲渡して生き残りを図る等、紆余曲折を経て
現在に至っています。
ツール・ド・フランスには2000年から出場。
初年度から個人総合3位、チームは総合2位
と活躍。その後はアルベルト・コンタドール
トム・ボーネンなど名だたる選手が所属する
チームに機材を供給し、2020年現在では、
ロードレース世界チャンピオンと最速の証で
あるマイヨ・ヴェールを獲得したチームに
機材を供給しています。2012年のロンドン
オリンピックでも、個人ロードレースで
アレクサンドル・ヴィノクロフが金メダル
を獲得しています。
ロードバイクの展開は3種類
スペシャライズドのロードバイクは主に
3種類に分別されます。
- オールラウンドモデル
- エンデュランスモデル
- E BIKE
4種類の中でもプロが使用するハイエンド
モデルには、商品名の前にプロモデルで
あることを示すS-WORKS(エスワークス)
のモデル名がつきます。
世界を制したオールラウンドモデル「ターマック」(TARMAC)
2020年にフルモデルチェンジした
オールラウンドモデル「ターマック」は
エアロロードで培った経験をもとに、
フレーム重量を犠牲にせず、自社の風洞
でテストを繰り返して前モデルと比較して
40kmをおよそ45秒速く走ることができる
バイクを開発しました。新しいターマック
がリリースされた事でエアロロードである
「Venge」が2021年モデルではなくなる
予定です。プロ仕様であるS-WORKSの
他に、素材を変更して値段を抑えたモデル
もあります。
プロも使うアルミ製オールラウンドモデル「アレー」(Allez)
スペシャライズドが初めて販売したモデル
の名前を受け継ぎ、アルミ素材でもカーボン
モデルに負けないオールラウンドモデルが
「アレー」です。
元世界チャンピオンのペテル・サガンも
シーズン初めのレースには同モデルのエアロ
仕様「アレーSprint」を使用しています。
石畳の過酷なレースを制したエンデュランスモデル「ルーベ」(Roubaix)
ヨーロッパの田舎道にある、ひび割れて
くぼみ、滑りやすい石畳の上でも、体に
不快な振動を伝えずに走ることができる
テクノロジー「Future Shock」を搭載した
ルーベは、「北の地獄」と呼ばれたレース
「パリ~ルーベ」を制したバイクです。
「Future Shock」は油圧ダンパーと調節
ダイヤルを搭載しています。ダイヤルを
回すとダンピングのオン・オフを選択でき
どんな地形でもライダーの疲労を軽減し、
スピードを向上させることができます。
グラベルから舗装路まで E bike「Turbo Creo」
SPECIALIZED SL 1.1 モーターが内蔵されて
おり、最大240ワットのパワーでペダリングを
アシストします。
内蔵バッテリーは最長130kmを走ることが
でき、長距離ライドも楽々とこなせます。
付属のレンジエクステンダーを用いれば、
走行可能距離を最長65kmさらに伸ばすこと
が可能との事です。Mission Control アプリに
接続する事で、SL 1.1 モーターを走り方に
合わせてチューニングし、ライドを記録し、
バッテリー残量を表示させることができます。
また、バッテリー残量を自動的に管理して、
ライドを無事終えるまで、バッテリーが切れ
ないように維持することもできます。
このモーターはすべてのANT+ ヘッドユニットに
データを送信できるパワーメーターまで内蔵して
います。Turbo Connect Unit(TCU)から、
ライドに必要なすべての操作を行えます。
またルーベにも搭載されているFuture Shockが
路面を問わず疲労を軽減させ、さらなる速さを
引き出します。
おまけ 史上最軽量のバイク「エートス」(AETHOS)
フレーム重量585g、完成車でUCI規定の
6.8kgを下回る5.9kgを達成した軽量バイク
「エートス」。
純粋にロードライドを楽しむために誕生した
唯一無二の1台です。
Alpinistシリーズのステム一体型ハンドルも
販売されており、より軽量化が可能です。
おわりに
今回はロードバイクのみ紹介しましたが
スペシャライズドはマウンテンバイクの
展開も多いです。ロードバイクの倍は
あります。近いうちにこちらも紹介でき
ればいいかと思っています。