自転車に発動機を付けて走行する機構は
それこそ大正時代からありました。
「モペット」と言われる、自転車の
フレームにエンジンを取り付け、ペダル
を漕ぐことでエンジンを点火させる乗り物
です。ここからより早く走るためにフレーム
を強化してオートバイへと進化していきます。
電動アシスト自転車の発祥は日本 「ヤマハ PAS」
(ヤマハHPより転載)
世界初の量産型電動アシスト自転車は
1993年にヤマハが発売を開始した
「ヤマハ PAS」です。
当初はモーターが大きい、バッテリーが
鉛蓄電池という仕様であった為、走行可能
距離は約20kmと、ひと駅区間程度しか
移動が困難でした。バッテリーが切れると
鉛蓄電池がものすごく重く、車両重量が
驚異の30kgあるので坂道などは
乗っても押しても動かす事も力がいる、と
いった事がありました。モデルチェンジを
繰り返すたびにモーターの小型化や
リチウムイオン電池の採用と車体の軽量化
により航続距離は最大100km以上走行可能な
機種も販売されています。三輪車や三人乗り
(子供乗せ自転車)仕様など、種類も豊富
です。
電動アシストはロードバイク・マウンテンバイクにも
ヤマハはスポーツモデルの開発・販売も
行っています。こちらは電動アシスト自転車
ではなく「e-bike」というくくりになって
います。
「ヤマハYPJ」シリーズではマウンテン
バイクから、ロードバイク、クロスバイク
のラインアップを展開しています。価格は
ヤマハのYZR-R25(250㏄の中型二輪)と
同じ値段です。
高いか安いかは人それぞれですが・・。
電動e-bikeは海外の方が本気度が高い
e-bikeの本気度は海外の方が大きく、主要な
自転車メーカーはこぞって新商品を発表して
おり、中でもスペシャライズドはシリーズ
最高モデルの「S-WORKS」からも
e-bikeをラインアップしています。
(オンラインショップHPより転載)
お値段はなんと1,694,000円!新車で
軽のワンボックスカーが買えます。
下位モデルはさすがには100万円を
超えませんが、それでも約60万円前後と
なっており、一般人からすれば簡単に
手が出る値段ではありません。
実際にe-bikeと試してみた
去年ですが、実際にe-bikeを実走して
います。場所は十和田湖 休屋から秋田県
小坂町に抜ける発荷峠です。
モーターがクランク部に内蔵されており、
バッテリーはダウンチューブに、ペダリング
のアシスト力の任意に調整できるサイクル
コンピューターが取り付けらていました。
発荷峠は約3㎞と距離は短いものの、平均斜度が
きつい事と、ところどころにコケが生えており
スピードが遅くなる厳しいコースです。
途中から普通のマウンテンバイクからe-bikeに
乗り換えてひと漕ぎした瞬間、モーターが作動し
ペダリングがまるで平地を走っているかの
様に軽くなりました。そして後ろから押された
ような勢いがついて坂をグイグイ上りはじめ
ました。まったく足に負担を感じません。
負荷アシストの最大モードでは緩い下り道の
ようなスピードで登れます。
上りはかなり楽。平地はアシストで速く走れるわけではない
上りがかなり楽になるのは体感できましたが
平地を速いスピードでは走れません。
道路交通法によって、電動アシスト自転車の
アシストが利く速度には制限があり、
時速24kmまでとなっているからです。
私が乗ったバイクもある程度スピードを
出すと急にペダリングが重くなる感触が
ありました。それに逆らって鬼ペダリング
すればアシストに頼らず更にスピードを
出す事ができるでしょうが、車重が重すぎる
ので、下り以外では難しいです。
おわりに
はじめは「e-bike」なんて、邪道・・と
本気で思っていましたが、実際乗ってみると
「自分のペースでどんな道も楽に走れる」
自転車のだいご味を最大限体験できる
マジックツールでした。
最大の弱点はバッテリーの持ち時間と
重量です。手軽に充電できる場所がなく、
予備バッテリーは持ち運べる重さではない
ので、「どこまでも走れる」事ができません。
(スペシャライズドのバイクはバッテリー
内装なので交換不可。重量は約20㎞)
この点が解決できれば老若男女が場所を
選ばず楽しめる事ができるでしょう。