東京オリンピックの興奮冷めやらぬうちに
スーパースターの移籍のニュースが飛び込んで
きました。
ペテル・サガン 来年はチーム・トタルエネルジーに所属
A cycle is closing in my professional careerhttps://t.co/p3Xq1lBAoM
— Peter Sagan (@petosagan) July 29, 2021
前人未到の世界チャンピオン3年連続獲得、
ツール・ド・フランス ポイント賞7回獲得
など輝かしい成績を収めた、ロードレース界の
スーパースター ペテル・サガンが5年に及ぶ
チーム ボーラ・ハンスグローエとの契約を
満了し、来年はフランス企業がスポンサード
するチーム・トタルエネルジーへ移籍する事を
自身のTwitterで公表しました。チーム、本人
とも合意の上で契約を更新しない、との事。
本人の他、アシスト選手や、使用機材も一緒に移籍
#PeterSagan has officially signed with TotalEnergies and will bring Specialized onboard for the French team as well. https://t.co/aR9TvunNaG
— CyclingTips (@cyclingtips) August 3, 2021
今回の移籍に伴い、本人のアシストをしている
2名の選手も同じチームに移籍する事が発表
されています。また、移籍先のチーム機材も
本人の移籍に伴い変更される事になりました。
(フレームはウィリエール→スペシャライズド
ホイール、ヘルメット、ハンドルなども
ローヴァルなどスペシャライズドブランドに。
ジャージはナリーニ→スポーツフル)
これはイメージ戦略の一環で、サガンといえば
スペシャライズド(実際に彼の記録の多くは、
スペシャライズドのバイクで生み出されて
いる)というイメージを移籍という形で
失いたくないスペシャライズドと、
開発力や知名度、販売戦略に長けたメーカー
からのスポンサードを得たいチームとの
お互いの利害が一致した結果と言えます。
またチームメイトの同時移籍も、付き合いが
長くサガンのレース運びを知り尽くしている
選手を即戦力として利用しつつ、新しい
チームにサガンのアシスト方法を根付かせる
役割を担う事になります。こういう事は
珍しくなく、今年のツール・ド・フランスで
5年振りにポイント賞を獲得し、劇的な復活を
遂げたマーク・カヴェンディッシュも移籍する
時にマーク・レンショーというアシストと
一緒に移籍した事があります。
2年+オプション2年の複数年契約
移籍先の「チーム・トタルエネルジー」は
フランスの国有石油企業のトタル社が
メインスポンサーのUCIプロチームです。
契約期間は2年ですが、オプションで2年追加
される、とフランスの「レキップ」が報じて
います。スポンサーは2年で実績を上げる事を
期待している様です。
1ランク格下のチームに移籍したのは力が衰えたから?
移籍するチーム・トタルエネルジーは
チーム格付けではUCIワールドチームの
ボーラ・ハンスグローエより1ランク格下の
グループに属しています。サガンの力が衰え、
戦力外扱いで移籍・・という事ではなく、
それぞれも思惑が合致した結果と言えます。
今年のサガンはコロナウイルスに感染したり
ツール・ド・フランスの落車で膝を痛めて
しまい、五輪出場に万全を期すためリタイア
して治療をしたものの、回復が思わしくなく
結局五輪を欠場したりと体調面で不運が
重なってしまいました。
サガンとしてはケガをしっかり治して
来年のツール・ド・フランスに復活を
かけたいところですが、ワールドチームの
ボーラ・ハンスグローエはUCIワールドツアー
すべてのレースに出場義務があり、体調が
万全ではなくてもレースに出ざるを得ない
ので、チームに所属していると病み上がりの
調整が難しかったのではないでしょうか。
チーム・トタルエネルジーにしても、
スーパースターのサガンを獲得する事で、
チームの注目度があがり、ツール・ド・
フランスのような露出度の高い大会に
特別枠として選ばれやすくなり、そこで
サガンが活躍すれば、ワールドチームへの
昇格にもつながるといったメリットが
あります。
おわりに
2022年シーズンは、フランスチームで
走るサガン。ケガが完治して体調が
万全ならあの強い姿をまた見る事が
できるでしょう!