アメリカのスペシャライズドという自転車
メーカーが販売しているグレードの一つに
「ROUBAIX」(ルーベ)という自転車が
あります。クラシックレースの一つである
「パリ・ルーベ」のために開発されました。
このレースの最大の特徴は、総延長50kmに
及ぶ豆腐大の石が敷き詰められた石畳です。
通常のロードバイクでは、石畳の衝撃で
まともに走る事ができない為、振動吸収に
特化した自転車として、7度もレースを
制してきました。
より転載)
また日本縦断ギネスレコードチャレンジを
行った高岡亮寛氏が使用したロードバイクも
このルーベです。
2022年以降のルーベに採用されるかも
しれない特許が去年公開されています。
特許の番号から出願は2019年である事が
わかります。
US20190308680A1 3トップチューブとシートステーの交わる
部分に分割されたパーツがあり、そこから
シートポストが出ています。シートステーの
付け根にはネジ穴がありダウンチューブの
中ほどには、ネジを通すような突起があり
、チェーンステーには、ディスクブレーキ
台座とスルーアクスル用の穴が見えます。
US20190308680A1 4図4はシートポスト部の分割図です。
シートポストより大きい穴がダウンチューブに
確認できます。トップチューブのネジ穴は
内部に収納するダンパーの固定用と思われ
ます。
断面図フレームの断面図です。2枚目の画像で
シートポストがかなり変形するのが分かり
ます。シートポストの縁と内部が色分け
されているので、別素材が使用される
可能性があります。それは交換可能な
硬さの違うもので、乗り手の好みで
変えられる可能性があります。
フロントディレイラーシートポスト上部がこれだけ動くので
シートクランプはフロントディレイラー
固定部付近に移動している。これでは
重量の問題が大きすぎる(通常使われる
シートポストより2倍は長いため)。
また、ポジションの調整幅も狭くなるので
乗り手を選ぶフレームになってしまうと
考える。
コンセプトはTREKのIsoSpeedに近い?
シートポストを独立させしならせる事で
振動対策を行う、というのはTREKのIso
Speedに似ています。
こちらはダンパーの代わりに特殊な
パーツを用いて振動対策を実用化
しています。
実用化を目指したわけではなく先進技術実証機の意味合いが強そう
形だけ見ると、かなり無骨で現在の
ルーベに比べるとどうしても見劣り
している感があります。おそらく、
このまま実用化するための特許申請
ではなく、新しいコンセプトや素材
の形状のデータをとるための技術
実証機の意味合いが強そうです。
極薄で強度もある素材や超小型の
油圧ダンパーが開発された時に
申請された特許が役に立つかも
しれません。
おわりに
現在はグラベルロードバイクなど、
未舗装路を走るための自転車も多く
販売されているため、より快適に
走るための技術がより重要視されて
くる可能性があります。2022年以降
のロードバイクがどのようになるか
非常に楽しみです。